2026/09/06 14:54
2003-2004シーズン、コービー・ブライアント他、多くのNBAプレーヤーの足元を支えた名作「Air Zoom Huarache 2k4 (エアズームハラチ2k4) 」の“Triple Black”が2026年に待望の復刻を果たしました。当時高校生だった私が憧れたバッシュが復刻。Kobeが数々の試合で着用していた一足の魅力を、本人の足跡とともに解説させていただきます。

画像:筆者私物
コービー・ブライアントとスニーカーフリーエージェント
個人的にAir Zoom Huarache 2k4は、Nikeバスケットボールシューズ史、およびコービーが着用したノンシグネーチャーシューズの中でも特にストーリーの多い一足だと思っています。
リーグ3連覇を達成した直後にadidasとの契約を解消したコービーは、1年間の「スニーカーフリーエージェント期間」を経て2003年にNikeと契約を結びました。その初年度に彼がメインで着用したのが、このAir Zoom Huarache 2k4です。
多くのスタープレイヤーに愛用されたモデルですが、スニーカーフリークの間では実質的に「コービーの準シグネチャーモデル」として認知されることもあります。
真相のほどは定かではありませんが、「本来はコービー初のNikeシグネチャーシューズとして開発されていたものの、同時期に世間を騒がせた彼の女性スキャンダル(コロラド事件)の影響により、一般ラインとしてリリースされることになった」という噂が語り継がれています。

画像:筆者私物
歴代の名作が登場するZoom Huarache 2k4のプロモーション
当時、Zoom Huarache 2k4の発売にあたってNikeはかなり力を入れていたように思います。オリジナル発売当時の私の心を完全に掴んで離さなかったのが、界隈では有名なあのTVCMです。Blazer(Nike初のバスケットボールシューズ)Air More Uptempo、Air Jordan 11、Air Penny 4等、これらの歴代名作バッシュたちが、脱皮を繰り返すかのように姿を変え、最終的にZoom Huarache 2k4へと変貌していく映像は、今見ても非常にインパクトがあります。
当時のメーカー公式サイトには特設ページが開設され、各名作シューズのどの要素が2k4に反映されているかが緻密に解説されていました。当時すでにスニーカーの虜になっていた私にとって、そのストーリーテリングのすべてが刺激的でした。
2003-04シーズンのレイカーズ
このシーズン、Huarache 2k4を足元に携えたコービー率いるロサンゼルス・レイカーズは、米国代表チームかと思わせるスターティングラインナップでした。コービーとシャキール・オニールに加え、ゲイリー・ペイトン、カール・マローンというレジェンドをスターティング5に揃えた通称 “Fabulous Four” がチームをレギュラーシーズンを2位(西カンファレンス)で通過し、そのままNBA Finalsへと進出。しかし、リーグ屈指のディフェンス力と強固なチームワークを備えたデトロイト・ピストンズの前に下馬票を覆される形で1勝4敗で敗退しています。

Zoom Huarache 2k4を着用し、当時のドラフト1位ルーキーのドワイト・ハワード(208cm)の上からダンクを決めるコービー。Reference: nicekicks.com
Huarache 2k4の革新性
エアマックスペニー、エアフォームポジットワンに加え、後のコービーシリーズの生みの親であるエリック・エイヴァー(Eric Avar)によってデザインされたHuarache 2k4は、クラシックな要素と当時の最新テクノロジーが融合した高機能バスケットボールシューズでした。
インナーブーティーにはシューズ名にもある通り、1990年代前半に登場したネオプレン製インナーブーティー、Huarache Fit Systemを採用し、高いフィット感を実現していました。機能自体はAir Jordanをはじめとしたシューズに採用されていましたが、”Huarache”の名を冠したバッシュの登場が久々だったということで、スニーカーファンにとってもワクワクする要素の一つだったように思えます。
インナーブーティーにはシューズ名にもある通り、1990年代前半に登場したネオプレン製インナーブーティー、Huarache Fit Systemを採用し、高いフィット感を実現していました。機能自体はAir Jordanをはじめとしたシューズに採用されていましたが、”Huarache”の名を冠したバッシュの登場が久々だったということで、スニーカーファンにとってもワクワクする要素の一つだったように思えます。

画像: 筆者私物
クッショニングについては、ファイロンミッドソールの母指球部とヒールに独立して配置されたZoom Airが、素早い一歩目と卓越したクッション性を両立しています。加えて、土踏まず部に配置されたカーボンファイバーが運動中の足の捻じれを防止しつつ、力強いエネルギーリターンをアシストしてくれる仕様です。
アッパーで目を引く足首のアンクルストラップは、足首の可動域を確保しつつ、シューズによる足のホールド感を高める役割を果たしています。履いて外を歩いてみましたが、強く締めすぎると歩行の度に足首に食い込んで痛くなるので、各々で最適な固定位置を見つけていただくと良いかと思います。
履き心地について
2004年当時のNikeのテクノロジーを結集させた本作ですが、近年主流のソフトで反発力のあるふかふかな履き心地とは異なり、固めな乗り心地。そのため、沈み込みすぎて足が不安定になったりといったことはほぼありませんでした。アウトソールの設置面積が広めなこともあり、安定感のある履き心地だという印象を受けました。
ミッドソールは薄めで地面に近い雰囲気はあるのですが、足裏としてはそこまで高い設置感は感じられずでした。ただ、競技用として使う予定のない私にとっては大した問題ではありません。

画像: 筆者私物
ヘリンボーンパターンをメインに構成されたアウトソールは高いグリップ力を発揮してくれそうです。土踏まず部分にはカーボンファイバープレートが見られます。
余談ですが、当時は今のように軽量高反発な優秀なフォーム素材(Zoom Xフォームやリアクトフォームなど)は存在していなかったため、このような履き心地のシューズは特に珍しいこともなかったように思えます。
アッパーのHuaracheインナーブーティーは特筆するようなところはありませんが、足の甲に沿ってフィットしてくれて質感良好。また、前述した通り足首のストラップを締めるとぐっとホールド感が上がるため、きっちりと閉めて履いていただくのが推奨です。足型にもよるとは思いますが、私にとってはむしろストラップなしだと踵の収まりが心許なく、踵が浮いてしまう感覚がありました。

画像: 筆者私物
その昔、本作の後継モデルにあたるZoom Huarache 2k5を履いてバスケをする際に、何故か足首のストラップをゆるゆるで履いていたため心地よいフィット感が得られなかっただけでなく、挙句足首を捻挫してしまうという経験がありました。特に競技用として利用される方はストラップをきちんと締めて履いていただくのが推奨です。
足首周りの切り欠きは、足首部の骨の”凸”部が収まるようなデザインとなっており、足首の可動域を確保するデザインとなっています。どこまで効果があるのかは競技で使っていないのでわかりません。今後長く履いていたい私にとってはこの薄手の材質の耐久性が少々気になるところ。
サイズ感について
通常良く履かれているナイキのスニーカーのサイズで履いていただいて問題ないかと思います。最近のバッシュに比べるとつま先部分に若干スペースがあるため、足幅が広い方や甲高な方でなければ、先の方が窮屈になるということは起こりにくいかなと思います。Huaracheインナーブーティのホールド感はある程度あるので、甲高や足幅がある心配な方はハーフサイズアップを検討いただいても良いかと思います。
まとめ
発売から22年を経過していますがそれを感じさせない洗練されたデザインと、当時コービー・ブライアントを始めとした多くのNBA選手が着用して大活躍していた様がこのシューズの魅力をまた一段と高めてくれています。
また、これまで複数回復刻されてきたことを考えると、その機能やデザインに魅力を感じるファンが多くいるということの証明のようにも思えます(余談ですが、Zoom Huarache 2k5は今まで一度も復刻されていません)。
次回復刻される際は、日本国内でも展開されることを願って止みません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
