2025/09/05 16:10

Inefficient Worksです。

スニーカーブーム終焉と言われて久しい昨今ではありますが、私を含む多くのスニーカー好きにとってストリートや日常のファッションにどのような靴を取り入れるかは、関心のあるテーマではないでしょうか。その中でも「バスケットボールシューズ(以下、バッシュ)」を普段履きとして取り入れるべきかどうか、これは日本では特に議論が分かれるポイントだと考えています。


日本人はバッシュを普段履きしない?

日本において、競技用バッシュを日常のファッションや普段履きとして取り入れている人は決して多くないというのが私の意見です。もちろん一部のスニーカーヘッズやバスケットボールファンはバッシュを街で履いていますが、一般的なスニーカースタイルと比較すると、まだまだ少数派です。多くの人は「競技用バッシュ=バスケットボールの試合や練習で履くもの」という認識を強く持っており、日常で履くスニーカーとは分けて考える傾向があります。


北米との違い

一方で、アメリカをはじめとした北米地域では事情が少し異なります。NBAが国民的なスポーツであることもあり、最新のバッシュをファッションとして楽しむ文化が根付いています。ストリートカルチャーやヒップホップの影響もあり、「新作バッシュをいかにかっこよく履きこなすか」という価値観が広がっているように思います。コートの内外を問わず、バッシュはファッションの一部として受け入れられているのです。

Photo: 筆者私物(LEBRON ⅩⅩⅠ PRM)


ブランドのプロモーションも変化

こうした文化の違いを背景に、近年のブランド側のプロモーションにも変化が見られます。例えば、海外で発売されたConverseのシェイ・ギルジャス=アレクサンダー(SGA)の初シグネイチャーシューズであるSHAI 001は、公式に「オンコート、オフコート問わず着用できるデザイン」であることが語られています。また、Anthony Edwardsは自身の「Anthony Edwards 2」のプロモーションで中国を訪れた際のインタビューにて、他のシューズは競技用バッシュとして特化している一方で、「My shoe is like, Swag(俺のは(ファッション的な意味で)かっこいい)」と強調しました。
つまり、バッシュがもはやスポーツの道具であるだけでなく、ストリートでのファッションアイテムとしての役割を担っていることが、メーカーや着用プレーヤー自身から打ち出されているように思います。


なぜ日本人は抵抗を感じるのか

では、なぜ日本では競技用バッシュを普段履きに取り入れる文化が広がりにくいのでしょうか。
一つ考えられるのは、日本人の「生真面目さ」に起因するものと考えています。日本では「用途に応じた使い方をするべきだ」という価値観が強く、スポーツ用として設計されたものを日常で使うことに抵抗を覚える人が少なくないように見受けられます。例えば最新の登山靴やトップランナーが着用するランニングシューズも、ファッションアイテムとして履く人を街で見かけることはあまりありません。スニーカーに限らず「これは◯◯用」とラベルが付いているものを別の文脈で使うことに、無意識の違和感があるのではないかと思います。


結論:好きな靴を履けばいい

では最終的に「バッシュを普段履きすべきか否か」という問いに対して、私の考えを述べたいと思います。結論から言えば、「好きな靴を好きなように履けばいい」と思っています。
応援している選手のシグネイチャーモデルを普段から履くことで、自分がその選手のファンであることをアピールするのも素晴らしいことです。あるいは、単純にデザインがかっこいいから、履き心地が良いから、という理由で選ぶのももちろんOKです。
大切なのは「これはバッシュだから普段履きしてはいけない」という固定観念に縛られないことです。自分がかっこいいと思える一足を自信を持って履くこと、それが一番大切なのではないでしょうか。


おわりに

日本ではまだ少数派かもしれませんが、今後はブランドのプロモーションや若い世代の価値観の変化によって、バッシュを普段履きとして取り入れる人が増えていくかもしれません。ファッションの世界に「正解」はなく、自由であっていいと思っています。あなたが今日履きたいと思う一足を選ぶことが、最も自分らしい選択です。

Photo: NBA Photos/Getty Images / gq.com


References: 
converse.com SHAI 001
complexsneakers Instagram account